Therapistインストラクター紹介
【北海道】七崎 水緒
(mio nanasaki)

「俺いま、無敵やねん!アダム徳永の『アダムタッチ』を習得したから。」そんな声が突然テレビから私の耳に飛び込んできたのは15年以上も前のこと。あるタレントさんがトーク番組で語った言葉でした。当時やりたいことを見失い、光のない目でテレビの前にぼーっと座っていた私は、その名前をなぜか1度で覚えてしまいました。ちょうどその頃、心理セラピストとして活動を始めました。「生きづらくてセラピーに行くのに却って傷つく」そんな体験を重ねていた私は、真剣に学び、繊細な人のための安全・安心な場所に自分がなろうと立ち上がったのです。しかしいざ始めてみると、それは決して生易しいものではありませんでした。
聴き手の私が自分を置き去りにせず、自由でいればいるほどに、女性たちが自由に語れるようになる。自分が解放されなくては成り立ちません。毎日が修行、毎回が真剣勝負でしたが、エゴから自由になって、目の前の相手の発するものすべてを全身で傾聴しキャッチしては一緒に見つめる作業のおもしろさに、私はのめりこみました。
同じ頃、親友のように仲の良かった当時の夫とセックスレスも含めたすれ違いがはじまり、互いの未熟さとも向き合わざるを得なくなりました。カップルセラピーなどできることを3年間かけてやり尽くした私たちは、夫婦関係を解消し、子を育てるチームとして進む道を選びました。
その後念願だったアフリカへ音楽留学も兼ねて渡航。予想もせずそこで触れたのは、あっけらかんと明るく大らかで、それでいて繊細で懐の深い性の世界。カルチャーショックどころではありませんでした!当時36歳だった私は、いかに自分が自分を「見えない役割」に閉じ込め、「期待されるだろう自分」を演じ、それでいて「ぬぐえぬ罪悪感」を持ち続けては、「自分を責め続けて」いたことか、それが痛いほどにわかりました。こんなことはもう、終わらせなくてはいけない。私はシングルマザーとして、あらゆる「欲」をタブー視せず、意志と行動によって、おのれを解放して生きることを決めました。小さくても、それは革命でした。
帰国後、仕事で不思議なことが起きだしました。どんな切り口から話がスタートしても、私がそちらへ誘導しなくても、性のお話に行きつき生き生きと語りだす女性が増え始め、彼女たちは本来の力を取りもどすかのように、人生をまるっと変えて行ったのです。革命は革命を呼ぶのかもしれない。私は小さな1歩を重ね続けました。
そんなアフリカでの衝撃体験から10年たったある日、SNSで「アダム徳永エヴァセラピスト養成講座募集」という記事が目に飛び込んできました。審査結果は神のみぞ知るとばかりに「えいっ」と応募したところなんと通過の知らせが!しかしその翌日、なんと生まれて初めての全身麻酔・経膣での大きな手術をすることに…。初回の講座は痛み止めを飲んでの参加。まさに苦難の3か月のはじまりでした。
術後なかなか元通りにならない身体…課題も進まず、何度も諦めそうになりました。しかし落ち込んだ時にかぎって、講座の座席はいつも最前列。アダム先生の「人とくらべなくていいんだよ、水緒さん。」の笑顔が私の支えになりました。
さらには全国から集まった同期の女性たちにどれほど助けられたことでしょう。彼女たちから浴びた愛と刺激は忘れられません。自分の生きてきた道について、性について、語り合い分かち合うことで、私の、私だけの形が影絵のようにくっきり浮かびあがってくるのです。
札幌から銀座へ頻繁に通う私をパートナーも心配しつつも励まし、応援してくれました。そんなふうに自分の命と、身体と、魂と、本当に向き合うぎゅうっと濃密な3か月を終え、アダム先生の手から受け取る修了証書の重みはひとしおでした。「性」の話ほど、ある時は「聖」に語られ、またある時は「俗」っぽく語られる、そんなジャンルを私は他に知りません。1人の人であっても、その2つの「極み」を行ったり来たりするのですから。
もちろん恋愛も結婚もセックスも必ず一続きでなければならないものではありません。しなくてはならない義務でもありません。そこに傷があってもいい。人生の時期によって好みや気持ちが変化したっていい。羞恥心があってもいい。「性」のお話には女性たちが「自分をどう扱っているか」「世界をどう見ているか」が鏡のように映し出されます。だからこそ大切に、ときに繊細にときに大胆に。ちいさな革命は1歩ずつ。まずは等身大の自分に出会い、そこからいまだ会ったことのない自分へ会いに、見たことのない景色を見に、旅に出かけましょう。
そんな女性の冒険の旅をサポートするのが、いまの私の使命です。最後になりましたが、講座期間中、住む場所も職業も家庭環境もバラバラな私たちが最大限集中できるよう、常に気遣ってくれたアダム先生と陽子さんに心から感謝しています。
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